研究33年ウイルス学者が語る新型コロナ

新自粛1/100作戦<2>水で頻繁に手を洗いマスクだけで十分

水だけで頻繁に手洗いする

 接触感染はウイルスが付着した手を目・鼻・口にもっていくことで感染する。この場合、付着した感染性ウイルスを1/100に減らせれば、感染はまずしないと私は考えている。1/100に減らすことを目標にするのであれば、せっけんを使わず、水道水で洗い流すだけで十分である。むしろ、頻繁な手洗いが鍵となる。

 飛沫感染はマスクをすることでかなり予防できる。マスクから漏れ出てくる微粒子中に含まれるウイルスも感染性があるが、これは換気をすることで感染を防ぐことができる。無症状でもウイルスが口や鼻から出ている可能性があるので、人と接触する場合は、お互いマスクをすることが重要である。

 これだけのことを守ることにより、感染確率を大幅に減らすことができる。8割減らすことも可能ではないか。人に会っても8割減が達成できれば、経済も守ることができるのだ。

(おわり)

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宮沢孝幸

宮沢孝幸

京都大学ウイルス・再生医科学研究所附属感染症モデル研究センターウイルス共進化分野准教授。日本獣医学会賞、ヤンソン賞などを受賞。小動物ウイルス病研究会、副会長。

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