専門医が教える パンツの中の秘密

機能性コンドームは男性だけが着けるとは限らない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 性感染症予防の基本は、体液や粘膜の接触を防ぐ「コンドーム」を使うことです。ただし、正しく使わなければ意味がありません。ポイントは射精の直前ではなく、セックスの初めから終わりまで、きちんと着けることです。

 それでもすべての性感染症を防げるわけではありません。梅毒や性器ヘルペス、尖圭コンジローマなどは、コンドームでカバーできない部分に病変ができ、そこから病原体に感染する場合があるので注意が必要です。コンドームは男性が着けるものなので、感度が落ちる(気持ちよくない)などの理由で射精直前まで着けたがらない人も多いと思います。しかし、夫婦など限定されたパートナーでない場合、無防備な女性にとっては非常に不安なはずです。

 そこで以前は「フェミドーム」と呼ばれる女性用コンドームが販売されていた時期がありました。これはポリウレタン製の筒状の大きめのコンドームで、女性が自分で外陰部と腟内を覆うように装着して使います。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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