コロナ禍での熱中症対策

基礎代謝が低下した高齢者はかつてない夏にどう備えるか

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「高齢者は昔は夏でもクーラーなしで過ごしていた人が多く、クーラー嫌いの人が多い。けれど、地球温暖化が進んでいる今の夏は、かつての涼しい夏とは違うんです。クーラーのかけすぎもかえって体によくないですが、弱めにクーラーをつけた上に窓を開けて扇風機で循環させるとか、寝る前にクーラーで部屋を冷やしてから、切って寝るとか、上手なクーラーの使い方をして、体調を管理したほうがいいですね」

 また、高齢になると季節への対応も苦手になり、夏でも厚い羽毛布団をかぶったり、長袖長ズボンの下着で寝る人も多い。高齢の親がひとり暮らししているという人は、薄いタオル地の布団や、半袖の寝間着を買い与えることも熱中症予防には大切だ。

「熱中症予防に一番大切なのは水分補給。コーヒーやビールには利尿作用があって水分を失ってしまうので、水や麦茶など、カフェインがなくて飲みやすいものが一番いい。寝る前には水をコップ1杯。さらに、夜中に目が覚めたときにもすぐに水を飲めるよう、枕元に水差しを用意しておくと、熱帯夜の脱水症状を防げます」

 1杯の水が高齢者の命を守ることもあり得るのだ。

 (つづく)

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