第2波に備えよ 新型コロナを徹底検証

<1>呼吸器だけではない 血液介在の全身感染症だった

(米国立アレルギー感染症研究所提供)

「PCR検査は確かに感度は高いのですが、検体採取の場所にウイルスがいなかったり、検体採取の技術力の差で結果が左右されるため、陽性の人がたまたま陰性になったのかもしれません。そもそも抗体がウイルスに対して有効かどうかもわからず、再感染の可能性もゼロではない。しかし、新型コロナウイルスがPCR検査の対象である咽頭部からは消えて、血管内皮や血液細胞、骨髄などその他の臓器で無症状のまま持続感染している可能性もある。他のウイルスではしばしば見られることです」

 すべての生物は多くの子孫を残そうとする。SARSウイルスと同一祖先を持ち、別々に進化してきた新型コロナウイルスも地球上で最強の宿主に取り付くため、“親戚”のSARSウイルスと異なる特徴を持つ。弱毒化という武器だ。

 ウイルスは単独では生きていけない。SARSのように強毒なウイルスは宿主を簡単に殺してしまったり、感染早期から動けなくしたりするため、広く感染することはできない。そのため、新型コロナウイルスは弱毒化という方法を取った。宿主は感染しても数日から2週間程度は自覚症状がないため動き回り、ウイルスをまき散らす。そして多くの感染先を確保する。ひょっとしたら、弱毒化により、臓器によっては痛みや不快感などの症状が出ないまま持続感染できる仕組みを獲得しているのかもしれない。

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