医者も知らない医学の新常識

ポテトとソーセージの組み合わせは危険 認知症リスク増加

最高の組み合わせだが…

 ジャガイモやサツマイモなどの芋類は、でんぷんなどの糖質を多く含むという点では、ご飯やパンなどの主食に近いのですが、ビタミンCなどのビタミンが多く、繊維質も多いという点では野菜に近いという、主食と野菜の両方の性質を持っている食品です。そのために、栄養指導の考え方によっても、芋類は主食の仲間になったり、野菜の仲間になったりと、その役割も一定していないのです。それでは、芋類を多く食べることは健康的と言えるのでしょうか?

 今年の神経学の専門誌に掲載された論文に、フランスで12年以上続けられている住民研究の結果が報告されています。それによると、ソーセージやベーコンなどの加工肉と、ジャガイモなどの芋類や、お菓子などを組み合わせる食生活を続けていると、その後、認知症になるリスクが増加していました。これはこうした食品の組み合わせが悪いという可能性とともに、こうした食品を多く食べていると、健康に良い野菜や雑穀、魚介などの食品を食べる機会が少なくなることも影響していると考えられます。

 ポテトとソーセージを食べてビールを飲むというのは、これからの季節には最高の組み合わせですが、食べ過ぎには十分に気をつけて、他の食品もバランス良く取るように心がけるのが、認知症を予防するには賢明であるようです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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