独白 愉快な“病人”たち

ホームや階段が怖い…岩義人さん語る「ナルコレプシー」の苦悩

岩義人さん(提供写真)

 ところが、睡眠内科での問診で「感情的になったとき力が抜けますか?」と聞かれ、ハッとしました。すごく笑ったときなどに急に膝から力が抜けることがあったからです。と同時に思い出したのが、前年(2018年)の夏、舞台で泣き叫んで怒る芝居の後、気絶に近い感じでふわっと倒れたことでした。すぐに立ち上がれたのですが、その後、病院に行ったら「脱力症状」と言われたことも蘇りました。

 実は感情がピークに達したとき、5分以内にガクンと力が抜けるのは、「ナルコレプシー」の特徴的な症状らしいのです。

「ナルコレプシーの疑いがある」と医師に告げられ、まず始まったのが一日の行動を記録することでした。専用の表があり、就寝から起床の時間帯、仕事や食事の時間のほか、「今日は寝つきが良かった」といった体調面の報告を毎日1カ月間書き続けました。

 そしてその後、病院で脳波を調べる検査をしたところ、思いがけない事実が発覚したのです。

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