独白 愉快な“病人”たち

ホームや階段が怖い…岩義人さん語る「ナルコレプシー」の苦悩

岩義人さん(提供写真)

■「いつどこで寝てしまうかわからない」

 思い起こせば、小学校4年生のとき、ダンスレッスンで「今、踊りながら寝てただろう」と先生に言われたことがありました。高校の卒業式はずっと居眠りしていたみたいで、まったく記憶がありません。大人になってからも二度寝が激しいし、電車で終点まで乗り過ごしてしまったことも数え切れません。

「今までも芝居しながら寝ている瞬間があったのかな?」と思うと自覚がないだけに怖いですし、相手の気持ちになると申し訳なさでいっぱいになります。今は「こういう病気なので不快なことがあるかもしれませんが……」と前もってお知らせできますけど、それでも「寝ちゃったらどうしよう」という不安は常にあります。

 一番つらいのは「サボっている」とか「夜更かししてるんじゃないの?」と誤解されてしまうことです。もしも病気を理解してもらえない環境だったら本当に苦しいと思います。

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