それと年を取って食事の際に気になるのが、唾液の分泌量の低下だ。口が乾いていると、噛み潰した食べ物が飲み込みにくく、むせやすい。唾液量は加齢で減少するが、持病の薬の副作用でも起こる。抗高血圧薬、抗ヒスタミン薬、抗コリン作用薬、抗うつ薬、抗不安薬、利尿薬、鎮痛薬、気管支拡張薬など、薬の種類によって唾液の分泌を減少させる場合があるので、気になる人は主治医に相談しよう。
「唾液腺マッサージという唾液の分泌を促す方法もありますが、効果は一過性でしかありません。また、唾液は十分分泌しているのに、乾いていると感じる人も多くいます。口の乾きは『口腔機能低下症』の検査のひとつに入っているので、気になる人は検査を受けて確認するといいでしょう」
口腔機能低下症とは、2018年に歯科分野で認定された新しい病名。口腔機能低下症の検査は、「舌の表面の汚れ」「舌の先の水分量」「噛む力」「滑舌」「舌の力」「食物を噛み砕く能力」「飲み込む機能」の7項目あり、実際に口の機能がどの程度衰えているか調べることができる。検査は保険適用で、時間はトータル20~30分ほどだという。
病気を近づけない体のメンテナンス