マスクは脳の温度を上げる…熱中症予防のカギは「鼻」にあり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「マスクを着けたままだと、吸った空気が温かくなっているマスクを通過してくるので、冷えた空気は取り込めません。さらに、吐く息がマスクを温めるので、次に吸い込む空気にも熱が加わります。ずっとマスクを着けることによって、呼吸で脳を冷やす効果が圧倒的に落ちてしまうのは確実で、マスクによる熱中症が増えるのも間違いないでしょう。また、運動している時は自律神経中枢に負担がかかるので、脳の温度はさらに上がりやすくなります。マスクを着けたまま運動するのは危険です」(梶本氏)

 脳を冷やそうとして冷たいタオルを額に当てても、厚さのある頭蓋骨越しになってしまうため、内部はそれほど冷えない。鼻を直接冷やしても、ほとんど効果はないという。

 それよりも、「吸う空気を冷やす」ことがよりダイレクトに脳を冷やす方法になる。

「気温28度以上の環境で過ごしていると脳が冷えづらくなり、気温22・5度から23度が最もパフォーマンスが上がるといわれています。マスクをしている時はエアコンの設定温度を24度くらいにして空気を冷やすことが大切です。就寝時も同様で、温度が高い環境の中、薄手のパジャマとタオルケット1枚で寝るのはやめて、エアコンで室温を25度くらいに制御して体は厚手のパジャマと布団で温めましょう」(梶本氏)

 熱中症対策は、冷たい空気が鼻を通過しているかどうかを意識すべし。

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