医者も知らない医学の新常識

コーヒーはダイエットに有効 甘い物を控えるとの研究結果

写真はイメージ

 コーヒーには糖尿病や動脈硬化の予防など、多くの健康に対する良い影響があることが、最近判明しています。それでは、コーヒーはダイエットに有効なのでしょうか?

 この点については、まだはっきりしたことが分かっていません。コーヒーに含まれているカフェインには、代謝を活発にして脂肪を燃焼させるような効果が確認されています。ただ、カフェインは取り過ぎれば心臓に負担をかけるなど、体に有害な影響も指摘されています。カフェインを含まないデカフェのコーヒーには、ダイエット効果はないのでしょうか?

 今年の栄養学の専門誌に、コーヒーと味覚の変化についての興味深い研究結果が報告されています。コーヒーを飲む前後で味覚の感じ方を検査したところ、コーヒーを飲むことにより、甘さを敏感に感じるようになり、苦さは感じにくくなる、という結果が得られたのです。その味覚の変化は、カフェインを含まないデカフェのコーヒーでも同じように認められました。普段コーヒーを飲む習慣と甘味の変化との間には関係はありませんでしたが、コーヒーを普段飲まない人の方が、コーヒーを飲んだ後の苦味の低下は、より強く認められました。

 このように、カフェインを含まないコーヒーにも甘味を感じやすくする効果があり、そのために甘い物を控える効果が期待出来るのです。コーヒーは味覚の変化を通じて、ダイエットにも効果がありそうです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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