第2波に備えよ 新型コロナを徹底検証

<5>新型コロナはなぜ全身に血栓症を起こす?2つのパターン

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 そこで血栓ができ、それが直接血管を詰まらせたり、何かの拍子に末梢に飛んで血管を詰まらせたりするという。

 しかも、いったん血管の炎症が野火のように広がると、サイトカインストームが発生して、全身の血管に大量の血栓が生まれる。

 実際、新型コロナウイルス感染症ではこのような血管での激烈な炎症、血小板の活性化、内膜の障害と機能不全、血流停滞などによる血栓症が死因に直結することが国際多施設研究で示されている(米国心臓病学会誌JACC・4月)。

 この病気による重症化にサイトカインストームと血栓症が関わっているのは間違いない。

 すでに国際止血血栓学会は、新型コロナウイルス感染症の患者に対して、血小板、血栓が溶けたときにできるD―ダイマー、血液凝固因子であるPT(プロトロンビン)やフィブリノーゲンのチェックを推奨している。今後は、肺炎などの呼吸器疾患だけでなく血栓症の監視と予防が必要で、予防的抗血栓剤の使用も検討されるべきだろう。

3 / 3 ページ

関連記事