また、筋肉には、臓器の働きを維持するために重要な生理活性物質を分泌させる内分泌器官としての役割があり、サルコペニアによってその役割が失われてしまうことで心臓の機能が悪化するという見方もあります。いずれにせよ、サルコペニアで筋肉量が減少すると体全体のバランスが崩れ、心臓にも影響してくるのです。
■この機会に家庭血圧をきちんと測っておく
負荷をかけ過ぎない適度な運動量を把握するためのいちばん簡単な目安は「心臓がバクバクする手前の運動量」になります。高齢者にとっては散歩が最適でしょう。それでも外出は不安だという人は、自宅でできるストレッチでもラジオ体操でも構いませんから、定期的に体を動かすよう意識してください。ただし、心臓を治療中の人は過度な運動は厳禁です。病状によって適度な運動量は変わりますから、担当医やリハビリ担当スタッフに相談しましょう。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」