進化する糖尿病治療法

肥満はコロナ重症化の危険因子 フランスの研究者が発表

写真はイメージ(C)PIXTA

 フランスのCyrielle Caussy氏は、勤務する医療施設に入院したコロナで重症化した患者の登録データ340人(3月27日時点)を分析しました。すると、32%に該当する110人がICUの管理下にありました。一方、2007年から19年にコロナ以外で入院した患者1210人のうち、ICUの管理下になった肥満の人は26%(314人)。コロナで重症化しICU管理下になるリスクは、肥満の人は非肥満の人より2・16倍高いことも分かりました。

 また、同氏はフランスの成人のうち肥満が占める率と、コロナによる重症患者の肥満の率も比較しました。成人における肥満は15%(14年時点)で、コロナで入院した患者の肥満の割合は25%。

 年齢や性で標準化して解析すると、コロナで入院した患者の肥満の割合が、フランス成人人口の1・35倍と高かったのです。同氏は、今回の研究には限界があることと、今後さらなる縦断的研究が必要と述べています。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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