医者も知らない医学の新常識

死亡数は同程度というが…コロナとインフルどちらが怖い?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 新型コロナウイルス感染症で死ぬ人と、同じくらいの数の人が毎年インフルエンザで死んでいる、というような意見があります。新型コロナとみんな騒いでいるけれど、実際には風邪の一種で大したことはないのだ、と言うのです。

 皆さんはこの意見をどう思いますか?

 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっているアメリカでは、今年の5月初めまでに6万5000人が死亡しています。ところが、インフルエンザが大流行した2017年から18年のシーズンには、6万1000人がインフルエンザのために死亡した、と報告されています。

 これを見る限り、新型コロナとインフルエンザの死亡数には、それほどの差はなさそうです。しかし、実はこの2つの死亡数の数字は、同じように集計されたものではありません。新型コロナの死亡数というのは、実際にその病気で死亡した一人一人を集めた数字です。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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