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ダイエットで痩せない原因は腸内の「デブ菌」…消す方法は

写真はイメージ
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 長期間のテレワーク生活で、「コロナ太り」したサラリーマンも多いだろう。慌ててダイエットを始めたが、なかなか痩せない。実は、激しい運動も食事制限もそれだけではあまり効果はないらしい。腸内の「デブ菌」を消すことが大事だという。

■「おかずクラブ」ゆいPは30キロ減

 最近、ダイエットで話題になったのが、お笑いコンビ「おかずクラブ」のゆいPだ。外出自粛期間中に121キロから約30キロ落とすダイエットに成功した。

 コロナ自粛前の2月13日のインスタグラム投稿と4カ月後の6月17日の投稿を見比べるとウエストも顔もかなりスッキリしているのが分かる。

 ダイエットの手法として、最近はやっているのが「腸活」だ。雑誌の特集やタレントのSNSなどで腸マッサージ、腸セラピーなどが紹介されているが、最も重要なのは腸内細菌をコントロールすることだという。どういうことなのか。

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「太るか、痩せるかは腸内細菌が決めています。『デブ菌』を減らさない限り、食事制限も運動もあまり意味をなさないのです」というのは、健康管理士の田和璃佳氏だ。

 著書「『デブ菌』が消えて『ヤセ菌』が増える 腸活×菌活レシピ100」(監修は東京医科歯科大名誉教授・藤田紘一郎氏)で、この「デブ菌」について解説している。

「デブ菌は糖類を代謝する遺伝子の多い菌種です。太っている人の腸内細菌はデブ菌が多く、ヤセ菌が少ない状態。デブ菌が多いと同じ食事量でも肥満体質になりやすいので、ダイエットも効果が出にくいのです」

 少し専門的になるが、腸内細菌の多くを占める日和見菌は、バクテロイデス門とフィルミクテス門の2種類の細菌群で構成される。前者は、食べ物を分解し、栄養やエネルギーに変える働きが強い細菌群で、いわゆる「ヤセ菌」。後者は消化されたものを体内にため込んでしまう細菌群で、「デブ菌」と呼ばれる。

健康管理士の田和璃佳氏
健康管理士の田和璃佳氏(提供写真)
デブ菌のエサの頻度を減らす

 デブ菌のエサになるのは、ラーメンやギョーザ、焼き肉、フライドポテトなど脂っこい、高脂肪食だ。

「これらはゼロにはできないと思いますが、頻度を減らすこと。一方で、ヤセ菌のエサとなる食材を意識して摂取すればいいのです。食物繊維はもっとも大好物の栄養素で、善玉菌を優位にする効果があります。だから、とにかく野菜はたくさん食べてほしいですね。たとえば、キャベツは腸内細菌を活性化する水溶性・不溶性の食物繊維やビタミンC・Uを豊富に含んでいる。とんかつを食べるなら、必ずキャベツをお代わりすることを心掛けるだけでも違ってきます。ラーメンを食べた翌朝はサラダを2人前の量にするなど野菜をいつもの2、3倍とりましょう。また、添加物はすべての腸内細菌のバランスを崩してしまうので、無添加の調味料や加工品を選んでほしいです」

 ほかに、ヤセ菌を増やすのが、お酢やしょうゆ、みそ、みりんなどの発酵食品だ。発酵食品に含まれる植物性乳酸菌は、善玉菌を増やす効果がある。

 特に酢酸は脂肪燃焼や便秘の改善、アミノ酸は内臓脂肪を減らし、疲れをとる働きもあるため、田和さんは「酢キャベツ」を薦めている。胃腸の働きを整えて悪玉菌の増殖を抑えるという。食べ方は、千切りキャベツに無添加のお酢をかけるだけでもいいし、お酢で和えたキャベツを冷蔵庫で1日ほど寝かせれば漬物のように味わえる。

「酸味が強く食べにくいという方は、お酢の代わりにリンゴ酢と塩麹を合わせたもので和えると食べやすいです」

 食前に酢キャベツ100グラム(小皿1杯分)食べるのがポイントだ。

■「ヤセ菌」を増やす食生活のルール

 また、「ヤセ菌」を増やす食生活にはルールがある。まずは、ひとつのものばかり食べないこと。単一食材だけを食べ続けるのは、腸内細菌にも腸にとっても負担となる。

 次に、カロリーよりも栄養素で決めること。エネルギー量は単なる数字でしかない。炭水化物であるお米にも食物繊維は含まれ、腸内細菌の栄養源になるので、野菜とともに食べることが大事だ。

 ダイエットにはささ身がいいといわれるが、肉の種類は関係ない。魚料理にも共通するが、大事なのは食べ方で、肉じゃがや煮魚などの煮込み料理やしゃぶしゃぶにすることで、揚げ物のような油を多く使った調理は減らしていく。

「飲み水は市販の天然水がいい。天然水は、カルシウム、マグネシウム、シリカ、サルフェートなどの天然ミネラルをバランスよく含んでいるので、腸管の働きをよくします。糖分の入っていない炭酸水でももちろんOK。適量は、1日1リットル、ペットボトルで2本分飲むだけで、ヤセ菌を増やせる腸内環境をつくれます」

 薬や抗生物質への依存も腸活の妨げになるので、注意したい。

 ゆいPはGYAO!が配信する動画「吉本StayHome劇場」の中で、ダイエット法を公開している。注目したいのが「野菜スープ」を食べ続けていたことだ。やはり田和氏の指摘通りだ。

 玉ねぎ2個、にんじん2本、ネギ1本、ブロッコリー2株、カットキャベツ、サラダチキン3パックが入った具だくさんのスープで、これを3~4日かけて食べるという。

<別表>でも紹介した、玉ねぎやキャベツをはじめ、たくさんの野菜を摂取するのはやはり効果的なようだ。

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