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未知の細菌やウイルスも…永久凍土の融解で地球が危ない!

永久凍土の融解が進むシベリアの山々
永久凍土の融解が進むシベリアの山々

 いま、北半球が異常な暑さに見舞われている。とくにその現象が著しいのが、ナント、シベリア地方。誰でも酷寒の地を連想する。戦後、多くの日本人がかの地で強制労働を課せられ、その多くが過酷な労働と想像を絶する寒さで命を落とした。そのシベリア各地で、この6月、30度を超す気温が記録された。太陽直下の地点では50度を記録したともいう。地球温暖化の影響とされているが、これは地球全体にとって極めて深刻な問題だ。

 地球温暖化に伴い、いわゆる永久凍土の融解が進む。凍土といっても、そのかなりの部分は氷。凍土が融解すると、氷に閉じ込められていたメタンガスが発生する。じつはメタンガスの地球温暖化への影響は二酸化炭素の25倍といわれている。地球温暖化→永久凍土融解→さらなる地球温暖化という図式である。

 永久凍土融解の影響はメタンガス発生にとどまらない。北極圏の永久凍土には大量の水銀が含まれているのだ。その量は5700万リットルという報告もある。魚類、クジラ、アザラシ、セイウチなどを食す北極圏の先住民たちの水銀の血中濃度がきわめて高いレベルにあるという調査報告もある。

 さらに永久凍土には、さまざまな種類の細菌やウイルスが含まれている。なかには、人類にとって未知の種類のものもあると推定される。

 現在、全世界は新型コロナウイルス感染症対策に防戦一方だが、もしかするとさらなる難局を迎えることになるかもしれない。当然、同じ北極圏のアラスカも永久凍土の融解が進んでいる。アラスカはまぎれもなく米国の州のひとつ。この国の現大統領は、これまでの言動から考えて、地球温暖化、温室効果ガスの初歩的理解さえ疑わしい。このままでは地球が、そしてわれわれの命が危ない。

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