しばらくしてFさんがKさんの部屋の整理をしていると、たんすの一番上の引き出しに手紙が入っていました。
「Fちゃん、ありがとう。お世話になりました。本当にありがとう」
手紙の日付は、苦しくなって救急病院に入院した、その日でした。
Fさんは、Kさんがはめていた白い手袋とベッドにつながれた紐が、何年たってもずっと頭から離れません。
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がんと向き合い生きていく