食後高血糖の恐ろしさ…検診の血糖値は正常でも油断禁物

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病をチェックする血糖値は、一般的な検診で見るのは「空腹時血糖値」。しかし、食後の血糖値もチェックしなければ、正しい糖尿病対策ができているとは言えない。横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学教授の寺内康夫医師に聞いた。

■死亡率3.5倍

 食事をすると、誰でも血糖値が上昇する。しかし2時間もすれば、インスリンの働きによって血糖値が低下する。

「ところが血糖値が下がらず、高血糖が続く人がいます。これを食後高血糖と言い、空腹時血糖値が正常なのに食後高血糖の人もいます」

 食後高血糖は、放置すると命に関わる危険があり、ブドウ糖を摂取して2時間後の血糖値を見る「経口ブドウ糖負荷試験2時間値(OGTT2時間値)」や、過去1~2カ月の血糖値の平均値HbA1cを見れば分かる。アジア人を対象にした調査で、「OGTT2時間値だけが高い糖尿病型(空腹時血糖値は正常)」は、空腹時血糖値もOGTT2時間値も正常な人と比べて死亡率が3・5倍高かった。国内の調査でも、食後高血糖の人は心筋梗塞などを起こしやすいという結果が出ている。

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