独白 愉快な“病人”たち

大泉逸郎さん9年前に脳梗塞「仲良く付き合っていくしか」

大泉逸郎さん(提供写真)

 今年は6月10日に「ありがてぇなあ」って新曲を出して、本来なら、出したらすぐにキャンペーンで新幹線に乗って東京だ、大阪だって行って歌ってるんだけど、今のご時世、そうもいかない。早く新型コロナウイルスがいなくなってほしいねえ。全然、キャンペーンができないもの。

 今は全国あちこち行ったら、かえって迷惑だろうからさ。山形でおとなしくしてるしかない。それは残念だけど、その分、しっかりサクランボに手をかけてやることができるから、歌はどこかで聴いてもらえたらいいなと思ってるよ。

(聞き手=中野裕子)

▽おおいずみ・いつろう 1942年、山形県生まれ。民謡好きの父親の歌を聴いて自然に覚えた我流で歌い、77年に東北・北海道民謡大賞を受賞。本腰を入れて民謡を習い、80年には日本民謡協会総理大臣賞を受賞した。94年、初孫誕生を喜びシングル「孫」を自主制作。99年、同作でメジャーデビューするとダブルミリオンを記録し、2000年の「NHK紅白歌合戦」にも出場した。以後も農業と兼業で歌手活動を続け、今年6月に新曲「ありがてぇなあ」(テイチクエンタテインメント)をリリース。

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