病の克服は患者に聞け

新型コロナ<前編>苦しくて人工呼吸器のチューブを噛みちぎり前歯を失った

中田仁之さん(提供写真)

「総合病院で受けたCTやレントゲン検査では、肺には影もなくきれいで問題なしとのことでした。コロナの可能性は低いと思うが、高熱があるし念のため隔離入院しましょう、という感じだったんです。しかし、解熱剤を使っても熱が下がらず、入院3日目の4月4日からは意識がもうろうとしてほとんど記憶がありません」

 PCR検査の結果が出たのは4日。「陽性」だった。中田さんは意識が定かではない状態が続いていたため、家族が「陽性」の連絡を受けたという。さらに、血中酸素濃度(正常値99~96%)が98%から90%にまで低下。このままでは命の危険があると、全身麻酔をしたうえで口から人工呼吸器につながれ、6日にコロナ患者を受け入れている病院まで救急搬送された。

 昏睡状態の中田さんはそのまま集中治療室(ICU)に入り、10日後の16日まで一進一退の状況が続いたという。

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