ズバリ解決 名医のお悩み相談室

付けるのが常識になり「マスクの摩擦で湿疹」の相談が増加

皮膚科医の玉城有紀氏
皮膚科医の玉城有紀氏(YouTubeから)

 マスクを着けるのが当たり前になったことで、新たな皮膚トラブルの相談がでてきました。「鼻や頬などマスクと境目に当たる箇所に赤く湿疹ができる」という悩みです。会話をするたびにマスクがこすれることが原因で、かいてしまうことで悪化するんですね。とくに乾燥肌の人はリスクが高くなります。

 皮膚をかくと角質が剥がれてしまい、肌のバリアー機能が低下します。そうなると花粉やほこり、ウイルスが肌に侵入しやすくなります。

 同様に4、5月から「急にニキビができ始めた」という相談も増えていますね。肌がこすれることに加えて、マスクの中が蒸れて雑菌も繁殖しやすくなるからです。

 いずれにしても、かゆみが起きるのは皮膚の水分や脂分が不足しているから。対策としては、マスクをする前に潤い成分が入った日焼け止めクリームをしっかり塗りましょう。女性はマスクの下もしっかり化粧してほしいです。これから夏に向けて紫外線の量も増えます。日焼けすれば肌はさらに乾燥しやすくなるし、かゆみにつながるのです。

 洗顔は泡タイプで行いましょう。顔と手のひらを接触させないのがポイント。泡で顔をなでるように洗ってください。

 洗顔後は、男性もしっかり乳液を馴染ませてください。「ベタベタするな」というくらいでいいです。

 マスクも、顔の形状にあった布製のものを選ぶと摩擦が少なくなりますから、この機会に探してみてもいいでしょう。

 手のケアも大事です。公共施設などでアルコール除菌クリームを塗る機会が増えていると思いますが、アルコールを重ねすぎると肌荒れや乾燥肌の原因になります。手がガサガサになるとアルコールが染みて痛みを生じたり、傷からイボができたり、別の感染症の原因にもなり得ます。

 手洗いはもちろん、ハンドクリームによるケアはしてほしいです。ただ、ハンドクリームにもアルコール成分が入ったタイプがあります。できれば、アルコールフリータイプを選ぶことをおすすめします。

▽玉城有紀 帝京大学医学部卒業後、東京女子医科大学皮膚科学教室に入局。現在は、「自由が丘ファミリー皮ふ科」総院長を務める。さまざまな医療現場で活躍するスーパードクターたちが出演の公式YouTubeチャンネル「SuperDoctors -名医のいる相談室-」では、「ニキビ・吹き出物を防ぐ」をテーマに解説しています。

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