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2018年は1500人超 驚くべき「熱中症」による死者の数!

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 今年の夏は猛暑が予想されるという。猛暑といえば心配なのが熱中症だが、厚労省の人口動態調査によれば、熱中症による死亡者数は40代から徐々に増え、65歳から急上昇し70代後半から80代半ばがピークとなる。近年、65歳以上が死者数に占める割合はじつに約80%となっている。

 その大きな理由のひとつとして挙げられるのが、加齢による筋肉量の減少だ。

 実は、筋肉の約75%は水分。すなわち筋肉量の減少は体の保水能力の低下を意味する。つまり、同じ60キロの体重であっても、筋肉量の多い人と少ない人では熱中症への対応力に大きな差があるということだ。筋肉量の少ない人は、その分、脂肪が多いだけ。脂肪にはほとんど水分は含まれていないのだ。

 人間の筋肉の約70%は下半身にある。だから、日頃からスクワットなどで筋肉量を増やしておくことが保水力を高め、結果としてそれが熱中症対策になるというわけだ。

 もちろん、こまめな水分補給も忘れてはならない。一般的に成人で1日約2500ミリリットルの水分が体内から出ていくとされる。内訳は、尿で約1500ミリリットル、便で約100ミリリットル、そして自分では感じることのない皮膚や呼気から排出される水分である「不感蒸泄」が約900ミリリットル。汗は「有感蒸泄」でこの2500ミリリットルには含まれてはいない。

 一般的な成人で通常、食事以外に1日1200ミリリットルの水分補給が必要とされるが、夏季には気温、運動、環境などによって増加する発汗に合わせた水分補給が必要だ。

 ちなみに3日8時現在、新型コロナウイルス感染による国内死者数は974人だが、猛暑だった2018年の熱中症による全国の死者はなんと1581人。うち65歳以上の死者の数は1288人。驚きの数字だ。

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