独白 愉快な“病人”たち

局所性ジストニアのERIKAさん 手術で頭蓋骨に穴を開け…

ERIKAさん(C)日刊ゲンダイ

 退院後も仕事は順調にあったのですが、もともとネガティブ思考なので「元通りになるのかな」と心配でした。そのうち新型コロナウイルスの影響で考える時間が増えて落ち込んでいきました。

 でも、一周回って「人と比べても仕方がない。自分のぺースでこの病と向き合っていけばいい」と思えるようになって、楽になりました。確かなのは「ギターを弾けることが楽しい」ということ。病気と闘った経験は、きっと表現者としてプラスになる。私にしか出せない表現力が生まれると信じています。

 病気になって、周囲の人たちの温かさを実感しました。病気だなんて言ったらどう受け止められるかわからないので誰にも相談しなかったのですが、伝えてみたら、みんな親身になって支えてくれました。つくづく「1人じゃない。みんながいるから今の自分がある」ことを確認できました。

 10代のころの自分は殻に閉じこもっていたけれど、ギターに出合って世界が変わったんです。だから私はいろんな人にギターの楽しさを伝えたい。ライブプレーでもギター講師でも、活動の根底にあるのはその思いです。

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