蛭子能収さん発症がTV番組で明らかに「レビー小体型認知症病」とは?

蛭子能収さん(C)日刊ゲンダイ

「レビー小体型認知症には主に4つの特徴があることが知られています。『認知機能の変動』『幻視や幻聴』、『パーキンソン病症状』、それに『レム期睡眠行動異常』です。認知機能の変動とは、認知機能がしっかりしている時と悪い時の差がハッキリしていて、その変動が1日の間だったり、1週間、1カ月の間だったりすることを言います。家族の顔がわからなくなったり、言葉が出てこなかったりするかと思えば、普段通りの振る舞いを見せることもある。そのため周囲から『認知症ではない』と見過ごされるケースも少なくありません」

 幻視や幻聴は初期段階から生じることが多いという。例えば、「(死んだ)人が話しかけてくる」「天井に虫が這っている」など、そこには存在しないものが見えたり聞こえたりする。そのため突然大声を出したり、虫を殺そうとしたりする。

 レビー小体は運動機能に影響を与えるため、体や表情が硬くなったり、手足の震えや運動がぎこちなくなったり、転倒を繰り返す、といったパーキンソン病症状が出てくる。体を動かす交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかないために自律神経症状があらわれて、大量の寝汗や便秘や立ちくらみ、動悸がする。さらには抑うつ状態になり、何事にも興味を失い「生きるのがつらい」などと言い出すこともある。また、「本物の家族じゃない」「自分の家ではない」といった妄想があらわれることもあるという。

3 / 4 ページ

関連記事