■どっちに転んでもおかしくない…
ある日、中田さんの仕事仲間たちが見舞いにやってきた。仲間の声がICUの外から聞こえたため、中田さんは「あいさつだけでもさせてほしい」と看護師に頼んだが、あっさり断られて肩を落とした。しかし、そもそも仲間が見舞いに来た事実はなく、看護師とのやりとりも一切なかったという。
「麻酔による妄想や幻覚だったのかもしれませんが、医師からも『生きるか死ぬかどちらに転んでもおかしくなかった』と言われたように、本当にギリギリの状態だったんだろうと思います」
治療のおかげもあって発熱と血中酸素濃度が落ち着き、意識も回復したことから、4月16日には人工呼吸器が外された。
翌17日には喉につながれていた管が抜かれ、18日は一般病棟に移ることになった。
病の克服は患者に聞け