セックスが痛い

出産後、妻が「痛い」と応じてくれない…考えられる3つの原因

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「出産後、セックスに応じてくれなくなった」と不満に思っている男性はいるのではないでしょうか? もし女性が痛みを理由にセックスを拒否しているなら、主に3つの原因が考えられます。

 1つ目は、女性の潤いを支えるホルモンの低下です。授乳期間中は女性ホルモンが低下するため、性的に興奮しても、潤いが不足してしまいがち。授乳期間が終わり、月経が戻るまでの一時的なことなので、潤滑剤などでカバーできます。

 授乳期間中は、授乳回数が多くてセックスに集中できず、潤うところまでなかなかいかないことも。授乳回数が少なくなる時期まで待つといいかもしれません。

 2つ目は、分娩時にできた傷です。産科の医師に聞くと、分娩時に会陰を切開するのはよくあること。会陰切開はしなくても、分娩時に性器が裂けることもあります。

 その場合は縫い合わせ、1カ月後くらいからセックスOKとなるのですが、人によっては縫合痕のひきつれが続いてしまうのです。ほかには、思いがけない場所まで裂傷して気づかれないことも。そうなると1カ月では完治していないこともあります。

 いつまでも違和感があるなら、ぜひ受診を。出産した産婦人科でもいいですし、性器の再生手術ができる形成外科もいいです。痛みを我慢していると、傷の完治後も「傷痕が裂けたらどうしよう」という不安でセックスが苦痛になるケースがあります。

 3つ目は、痛い出産の記憶。それがトラウマになり、セックスの痛みとなって表れるのです。心理カウンセラーへの相談をお勧めします。

 産後は、子育て優先で自分のことを放置する女性は少なくありません。男性は「セックスできない」と不満に思うより前に、女性の心身をサポートし、医師やカウンセラーなど専門家へ相談しやすい環境をつくってください。それが先々まで2人でセックスを楽しめることにつながるはずです。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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