みんなの眼科教室 教えて清澤先生

在宅テレワークに伴う眼精疲労を訴える患者が増えている

写真はイメージ

 新型コロナウイルス感染症の伝播に伴って、世間では自宅でのテレワークが急速に進みました。しかし、自宅に書斎を持っているなどという方はおそらくまれで、ダイニングキッチンの食卓を使い、スマホで顧客や同僚と連絡しながら、ひたすらノートパソコンで作業をしている方が多いのではないでしょうか? 場合によっては9時から5時の勤務時間もあいまいかもしれません。

 そのような場面では、モニター画面の照明条件、モニターと目の距離、机の高さと椅子の高さなど、目に直接影響する労働環境のコントロールはほとんどなされてはいないことでしょう。

 会社のオフィスではこのような条件は厳しく統制されていたはずであり、テレワークでの労働環境管理状況は野放しといえるでしょう。

 理想的なPC作業環境としては、①十分な明るさ②画面と目の距離は40~70センチ③視線はやや下向き④書類と目の距離が画面から目の距離とほぼ同じ⑤作業に適切な姿勢で座る⑥画面の反射をさえぎるフィルターの利用が挙げられます。自宅で在宅勤務をされる方はこの条件を再チェックされるとよいでしょう。

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清澤源弘

清澤源弘

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

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