「死ぬまで元気」を目指す

ピンピンコロリのために特に大切なのは食と定期的な歯のケア

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 記者の65歳になるいとこは、昨年あたりから「残る人生の目標はピンピンコロリで死ぬことだけだ」とことあるごとに口にするようになった。

 ご存じのように、ピンピンコロリとは高齢者が元気なうちに突然、もしくはごく短い期間の療養の後に亡くなることだ。しかし日本人のうち、老衰で最期を迎えられる人はわずか7・6%(2017年人口動態統計)。しかも男性は平均9年、女性は平均12年も介護された末に死んでいく。

「日本はピンピンコロリならぬ、ネンネンコロリが際立って多い『不健康長寿国』。病床数が人口当たりでアメリカの4倍以上あり、患者の入院期間も3倍近く長いことが関係しているでしょう」と話すのは、国際医療福祉大学熱海病院検査部・〆谷直人部長だ。

 病床数が多ければ、すぐに入院できる。ただし、病院のベッドで点滴の針を刺したままトイレにも行かず過ごしたら、高齢者は寝たきりになる可能性が高くなる。

「まずは、医師に頼りすぎず、自分の健康は自分で保つのだという気構えが大切です」と話す〆谷部長は、4つのポイントを挙げる。「週1度の運動」「質のいい睡眠をとる(睡眠時間は7~8時間)」「適度な飲酒はOKだがたばこは吸わない(禁煙)」「口腔をケアし良好な状態を保つ」だ。

「中でも食は生きることの基本ですから、歯や口が健康であることには大きな意味があります。特に大切なのは朝食。朝食を食べないと脳や身体機能が活性化しません。いつまでも健康な歯や口を保つために、歯科医による定期的なケアを受けることをおすすめします」(〆谷部長)

 加えて忘れてはならないのが、心の健康。ピンピンコロリの人には「年をとっても生きがいを持ち、地域や趣味の活動に積極的に参加している」という共通点があるそうだ。生きがいを持って働き続けることは、要介護にならないための賢明な選択だ。

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