蛭子能収さん軽度の認知症…これまで通りの活動できるか

漫画家でタレントの蛭子能収さん(C)日刊ゲンダイ

 しかし実際はどうなのか? 米山医院(東京・あきる野市)の米山公啓院長によれば、「アルツハイマー型認知症でもレビー小体型認知症でも、早期のうちは薬で症状が抑えられます。また、周囲の多少の助けは必要とはいえ、ある程度進行しても、自立した生活は可能。仕事内容によってはそのまま継続も問題ない」。

 記者は以前、レビー小体型認知症の女性(50代=取材当時・以下同)を取材したことがある。この女性は若年性のレビー小体型認知症と診断されて2年、主治医によると発症は11年ほど前、40代のときとのことだったが、インタビューをしている間、認知症のように見える言動は全くなかった。つまり、記憶力、理解力、思考力において、私たちがイメージする「認知症っぽさ」は皆無だった。

 女性自身、「(適切な治療で)幻視、注意力低下、意識障害など自律神経障害以外の症状は、ほとんど改善しています。認知機能テストも満点に回復しています」「認知症は右肩下がりに悪化する一方と医師は言いますが、違います。慎重で適切な治療が大前提ですが、不安などのストレスで悪化し、人と楽しく笑い合うことが一番症状を改善することを実感しています」と話していた。レビー小体型認知症の正しい知識を伝えるための講演会にも出演し、そこで用いるスライドは自分一人で作成していた。

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