役に立つオモシロ医学論文

病気による早期死亡は運動で回避できる 英国専門誌で論文

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 運動は健康によい影響をもたらすと考えられていますが、特定の病気に関連した死亡のリスク(たとえば認知症や糖尿病による死亡)との関連性について、明確なことはよく分かっていませんでした。そんな中、身体活動とさまざまな原因による死亡リスクの関連性について検討した研究論文が、英国医師会誌の電子版に2020年7月1日付で掲載されました。

 この研究では、米国に在住している18歳以上の47万9865人が対象となりました。研究参加者の身体活動量は、不十分な身体活動量の人、有酸素運動(軽度~中等度の運動を週に150分以上、もしくは強度の運動を週に75分以上)を行っていた人、筋力強化運動(ウエートリフティングのような筋肉を強化するための運動)を行っていた人、有酸素運動と筋力強化運動の両方を行っていた人の4つのグループに分類され、さまざまな疾患による死亡のリスクが比較されました。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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