蛭子能収氏はレビー小体とアルツハイマーの合併 では日本人に多い「脳血管性認知症」とは?

蛭子能収さん(C)日刊ゲンダイ

■認知機能は「まだら状」に保たれる

 症状は障害される脳の領域により異なるが、アルツハイマー型のように全般的な認知機能が徐々に低下するのとは違い、新しいことを覚える力は低下しても、理解力や判断力は保たれることが多い。そのため、アルツハイマー型よりも人格が保たれているケースが多いという。また、意識がしっかりして活動的なときとボーッとしているときが繰り返される「まだら認知」となる場合が多い。

「脳血管性認知症にはほかにも特有の症状があります。場違いに泣いたり笑ったりする感情失禁や欲求を制御できずに物を無制限に欲しがったり、お金を浪費したりします。また、病気の引き金が脳血管障害ですから、片麻痺、失語、うまく呑み込めない嚥下障害や正しく発音できない構音障害の症状があらわれることがあります。さらには実行機能障害といって、段取りを考えて行動することができなくなり、意欲が低下するアパシーと呼ばれる状態になることも多いのです。そして、前頭葉の血流が低下するため注意力が保てず間違いが増えるという特徴があります」

3 / 4 ページ

関連記事