レビー小体型認知症 自立生活を続けるため知っておきたいこと

仕事を続けられることも…(C)日刊ゲンダイ

 認知症の症状の一つに記憶力の低下があるが、最近は、自立した生活を送る上で記憶力より注意力のほうが重要だと考えられている。注意力が維持できていれば、家事の中での火の不始末、転倒、風呂場での溺水、誤薬、交通事故、金銭面での失敗などを起こしにくい、というのだ。

 最近、東京歯科大学精神科准教授の宗未来医師が「注意力はアロマによって向上する」という研究結果を発表。諸外国でも例を見ない厳格なエビデンスを示した内容なので、参考にするのも手だ。

「ちなみにレビー小体型認知症単体では、記憶力の低下は、最初のうちはそれほど目立たないケースも少なくありません」

■「暴れる病気」は誤解

 レビー小体型の特徴的な症状は、まず、認知機能の変動。時間、場所、周囲の状況に対する認識、会話をした時の理解力が、いい時と悪い時がある。ただし、記者がレビー小体型認知症発症歴10年以上の人に取材した時、「適切な治療と周囲の理解で、問題を感じることが減る」という話を聞いたことがある。

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