定年退職後、通いやすい自宅近くのクリニックに変えてからも医師や看護師との関係は、以前のクリニックと同じようなもの。糖尿病になったことはうれしいことではないものの、なんでも相談できるかかりつけ医を持てたことは、健康を維持する上でよかったと、Aさんは考えているそうです。
私が担当している患者さんも、Aさんと似たような話をされる方が結構います。また、糖尿病で定期的な検査を受けている方のほうが、一病息災ではないですが、かえって健康的に長生きされる印象があります。糖尿病によってリスクが高くなる病気を理解して対策を講じていますし、さらには食生活に気をつけ、適度な運動を取り入れるなど、日頃から体のことを気遣っているのが大きいのでしょう。なんらかの病気があっても、早期発見にもつながりやすい。
人間ドックも病気の早期発見に役立ちますが、定期的に受けている人でも年に1度です。その方の状態に特化した内容でもありません。そう考えると、人間ドックは万全ではないと言えます。
進化する糖尿病治療法