完治困難な膵臓がんの治療が変わった 新薬が6年ぶりに登場

胃痛や腹痛は膵臓がんのサインかも(C)日刊ゲンダイ

「2次治療でエビデンスのある治療法が登場した。患者さん、そのご家族、医療者が待ち望んでいた治療法です」

 悪心、好中球数減少、食欲減退、白血球数減少、下痢、便秘などの副作用が治験で確認されている。ただし新薬は、1次治療の選択肢のひとつ「フォルフィリノックス」に含まれる抗がん剤イリノテカンをもとに開発したもので、膵臓がんの抗がん剤治療経験がある医師なら、ある程度管理に慣れている。とはいえ新薬なので、未確認の副作用が出てくる可能性もあり、慎重に投与しなければならないことは言うまでもない。

 膵臓がんは早期発見が難しいがんだと述べた。とはいえ、約20%の患者は完治が期待できる切除可能のステージⅠ・Ⅱで発見されている。知っておくべきは、膵臓がんが疑われる症状「腹部・背部痛」「黄疸」「糖尿病の増悪」だ。

「胃痛や腹痛、背中痛がある時、胃や腸などの検査で異常なしとなっても安心せず、念のために膵臓も調べる。糖尿病の血糖コントロールが急に悪化したら、膵臓がんも疑う。それが膵臓がんの早期発見につながるかもしれません」

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