医者も知らない医学の新常識

白米より玄米というが…糖尿病を予防する食事の決め手は?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 糖尿病(2型糖尿病)は国民病といってもいい、生活習慣病の代表です。新薬が開発されるなど、その治療も進歩していますが、予防できればそれに越したことはありません。糖尿病の予防のためには、定期的な運動の習慣と健康的な食事が2本柱であることは昔から変わりません。

 それでは、糖尿病を予防する食事とはどのようなものなのでしょうか? 白いご飯や、食パンなどの白いパンは減らした方がよく、ベーグルのような茶色いパンや、玄米などの精製していない米を、代わりに食べることがよいとされています。こうした精製されていない穀物には、食物繊維や抗酸化物質など、多くの内臓脂肪を減らすような成分が含まれているからです。

 ただ、実際にそうした食事で本当に糖尿病が予防できるかどうかは、あまりしっかりと証明された事実ではありませんでした。

 今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という一流の医学誌に、それについての最新の研究が紹介されています。医療従事者を対象とした大規模なデータを解析した結果として、精製していない穀物を多く取る食事をしていると3割程度、糖尿病になる危険性が減少していたのです。シリアルやオートミールにも同様の効果がある一方で、ポップコーンはむしろ糖尿病のリスクを増やしていました。糖尿病の予防のためには、精製していない穀物がよいのは確かなことであるようです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

関連記事