絶望してはいけない 命をつなぐ僧侶の言葉

置き去りにしていた自分の気持ちを見つめる機会にする

臨済宗妙心寺派大禅寺の根本一徹住職(C)日刊ゲンダイ

【Q】2ヶ月の間リモートワークが続いたのですが、満員電車に乗って疲れることもなく、朝もゆっくり寝ていられるし、上司や同僚とも最低限の業務に関するやり取りだけしていればいいのが結構快適でした。おかげで通常業務が再開してからというもの、ますます会社に行くのが憂鬱でたまりません。こんな私は、いったいどうしたらいいでしょうか?

【A】私は岐阜の大禅寺で住職を務めながら、長年自死予防の活動をしています。SNSもmixiの時代から、死にたいという気持を持つ人の話を聞くために使っていましたが、最近の相談活動は対面をベースにしてきました。しかし、今回のコロナでは、初めてZoomで坐禅会を拾いたり、いろんな人と話し合ったりしたのですが、パソコンの画面越しに長時間話すというのは、結構疲れるものですね。

 しかし、相談者の方はリモートワークが快適だったので、むしろ会社にいくのが嫌になってしまったとのことで、よほどパソコンに長けている方なのだと思います。中高生でもいちばん自死が多いのは夏休みが終わって二学期が始まる前だという統計がありますから、普段の日常に戻るというのは、それだけ負荷のかかることなのですね。

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