絶望してはいけない 命をつなぐ僧侶の言葉

置き去りにしていた自分の気持ちを見つめる機会にする

臨済宗妙心寺派大禅寺の根本一徹住職(C)日刊ゲンダイ

 本当に出社するのが嫌だったら、これからもリモートワークを続けたいです、と宣言すれば、受け入れてくれる会社も結構あるような気もします。出社するのが嫌になったというのは、それだけ家の中で仕事をするのが向いていたわけで、リラックスできる家のほうが、仕事のパフォーマンスも上がって、同じ時間で多くの成果を出せたということですよね。会社がそのことを理解すれば、むしろ在宅勤務のほうが交通費がかからないなどのメリットもありますし、新しい勤務スタイルを認めてくれる可能性もあります。

 実際朝早く起きて、顔を洗って、朝ごはんを食べて、歯を磨いて髭をそって、スーツを着てネクタイを締めて電車を乗り継いで出勤するというのは大仕事ですから、一日のエネルギーの半分くらいを会社への行き帰りに使っていたということだってありえます。これからはそのエネルギーをもっと仕事そのものに使うために、自宅での仕事へシフトチェンジしていったほうがいいという、そういう貴重な気づきをもらえるいい機会が今回のコロナだったのかもしれないですよね。

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