専門医が教える パンツの中の秘密

【すそワキガ】強いほど性ホルモンが活発に働いている証拠

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 しかし、エクリン腺の無色透明の汗(99%が水分)と違って、アポクリン腺の汗は白く濁っていて脂質やタンパク質などが多く含まれています。そのため細菌に分解されると臭いが強くなるのです。

 ただし、臭いの強さには個人差があり、脇の下の臭いが強いと「ワキガ(腋臭症)」、外陰部の臭いが強いと「すそワキガ(外陰部臭症)」と呼びます。それはアポクリン腺の大きさや数は遺伝によって個人差があるからです。

 特にすそワキガは女性に多く、男女比は男性2人に対して女性が8人程度といわれています。

 では、アポクリン腺の汗にはどんな役割があるのでしょうか。

 人間のアポクリン腺は、哺乳類がフェロモンを分泌する芳香腺(ほうかせん)が退化したものとされています。そのため思春期になると性ホルモンの影響で分泌が増えて臭いが強くなり、老年期になるとアポクリン腺が小さくなって分泌が減るのです。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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