進化する糖尿病治療法

旅行もできず外食もできず…たまるストレスどう解消する?

どこかに行きたいけど(C)日刊ゲンダイ

「Go To キャンペーン」が先週22日から始まりました。しかしコロナの感染拡大を心配して、「旅行はしばらくできない」とあきらめモードの方が少なくないように思います。東京都在住者においては、キャンペーンの対象から外れていることもあり、旅行はおろか、「(東京以外に住む)子どもや孫に当分会えない」「一年に一度の楽しみだった祖先のお墓参りができない」とがっかりした声をよく聞きます。

 心配なのが、糖尿病、高血圧など慢性疾患を持っている方のストレスコントロールです。私の患者さんでもこの2~3週間でメンタル面に不安を持ち、体調を崩した方が増えました。主に60~70代で、これまでは定期的にご家族、友人たちと旅行や食事に出掛けていたのですが、次々予定がキャンセルとなり、楽しみがなくなってしまったのが原因です。

 やりたいことができないと、だれしもストレスがたまります。すると交感神経が優位になり、血糖を上昇させるグルカゴン、アドレナリン、甲状腺ホルモンなどが活性化して、血糖値が上昇しやすくなるのです。ストレスは、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールの分泌量も増加させ、やはり血糖値を上昇させます。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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