進化する糖尿病治療法

旅行もできず外食もできず…たまるストレスどう解消する?

どこかに行きたいけど(C)日刊ゲンダイ

 しかしコロナの報道が深刻に流れ始めた3月からは一度も帰省していません。「夏には」と思って我慢していましたが、今回の東京感染者増大で、母親や親戚からは帰省を猛反対され、東京にとどまることを決めました。幸いにも母親は元気で自立した生活を送っていますが、年齢が年齢なので、会える時に何度も会いたい。この男性自身、60代半ばですから、帰省がままならない病気にいつなるとも限りません。何より自然豊かな岡山が恋しくてならない。

「感染の広がりを見ていると、今年一年は岡山に帰れない可能性がある。文句を言っていても仕方がないので」と、男性は来年元気に帰れるように、健康に留意した生活を心掛け始めました。長く受けていなかった健康診断を受けた結果、血糖値と血圧が基準値を超えていることが判明。薬物治療を開始するとともに、夫婦2人で食事の味付けを見直し、早朝、人けのない時間帯に散歩もするようにしました。

3 / 4 ページ

坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

関連記事