2016年にロンドン大学の研究チームが科学誌に興味深い論文を発表しています。それは陰茎骨を持つ動物と持たない動物の交尾の違いを比較評価したものです。それによると、陰茎骨の役割は交尾時の長時間の挿入(3分以上)をサポートするもので、交尾時間が長い哺乳類ほど比例して陰茎骨も長くなるとしています。
さらに長い陰茎骨は、メスを取り合う生殖競争の激しさとも相関していたとしています。つまり「競争相手が多く、交尾時間が長い」ということが、陰茎骨を持つ哺乳類の交尾の特徴という見解です。交尾時間が長ければ、それだけメスが他のオスと交尾する機会が減り、自分の遺伝子を残すことができるわけです。
一方、人間の場合はどうでしょう。研究チームは、190万年前のホモ・エレクトス(原人)の頃から「一夫一婦制」が広がったため、女性をめぐる生殖競争が起こりにくくなり、次第に消失していったと推測しています。それに人間の男性の場合、挿入から射精までの時間が平均2分程度とし、わざわざ陰茎骨でサポートする必要がないとしています。
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