珈琲はクスリだ

<4>ウイルス感染を予防する インフルエンザや肝炎にも有効

カフェイン抜きの珈琲でも同様の結果

 珈琲にはあまり知られていない「珈琲酸」と呼ばれる成分がある。ポリフェノールの一つ、クロロゲン酸が熱で分解されたときに生じる成分だ。

「コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか」(PHP出版)の著者で、「北品川藤クリニック」(東京・品川)の石原藤樹院長が言う。

「珈琲の健康成分と言うとカフェインをイメージしがちですが、もうひとつ注目すべきはクロロゲン酸です。前回、珈琲が糖尿病予防に役立つ話をしましたが、カフェイン抜きの珈琲でも同様の結果が確認されています。それはこのクロロゲン酸のおかげとみられています。カフェインには健康に役立つ面がたくさんある一方で依存性や心臓を刺激するなどのマイナス面もありますが、クロロゲン酸にはそれがありません。ただし、熱に弱く生豆を焙煎すると急激に減ってしまいます。そのとき増えるのが珈琲酸で、がん細胞やウイルスの増殖を抑えることが基礎研究で確認されています」

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