■心臓病食は主に塩分と水分を制限
治療食の中には、「心臓病食」ももちろんあります。一般的な心臓病食に求められるのは、水分制限と塩分制限です。いずれも、過剰に摂取すると心臓に負担をかけてしまうからです。
口から摂取した水分は腸から吸収されて血液中に入り、いったん心臓に集まってから全身に送り出されます。酸素や栄養分を全身に送り届け、不要物を受け取って心臓に戻ってきた血液は、最終的に腎臓でろ過されて、不要な老廃物は尿として排泄されます。体内の水分量が過剰になると血液量が増えることになり、ポンプ役である心臓はたくさん働かなければなりません。それだけ負担が大きくなってしまうのです。
塩分の過剰摂取も心臓に負担をかけます。塩分を取りすぎると、血液の浸透圧を一定に保つために血液中の水分が増加して血液量が増えるのです。また、血液量が増えると血管壁に加わる抵抗が強くなり、血圧を上昇させることにもなります。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」