京大ウイルス学者が語る新型コロナ「ファクターX」の正体

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■未知のコロナウイルスの可能性

 一方、このキットは既知の季節性の風邪のコロナウイルス(4種類)には反応しないことは確認されている。

 新型コロナウイルスの抗原検査キットが「ヒト腸コロナウイルス」を検出している可能性も否定できないが、腸に指向性のあるコロナウイルスが鼻咽頭ぬぐい液に存在する可能性は低いだろう。やはり、新型コロナウイルスに類似の未知の呼吸器コロナウイルスが、過去に、また現在も、日本人に蔓延している可能性はあるのではないだろうか。

 新型コロナウイルスやSARSコロナウイルスに抗原的に類似したコロナウイルスが、国内で密かに蔓延していた可能性が否定できないとなれば、それに対する免疫が新型コロナウイルスを抑える働きをしている可能性が出てくる。これが山中伸弥京大教授が言う、いわゆる「ファクターX」なのかも知れない。

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