珈琲はクスリだ

<5>正しい飲み方 は「インスタントを1日3杯程度飲む」

健康を考えるなら紙フィルターで
健康を考えるなら紙フィルターで

 珈琲には糖代謝や肝機能の数値を改善させたり、肥満を予防するなど、さまざまな効果がある。

 それを可能にするのもは珈琲に多く含まれる、カフェインだったり、クロロゲン酸と呼ばれる成分だったりすることが明らかになっている。

 しかし、それも正しい飲み方をしてこその効果。せっかくの成分も正しい飲み方、飲むタイミングを逃しては、健康になるのを妨げてしまう。どんな飲み方がいいの「コーヒーを飲む人はなぜ健康なのか?」(PHP出版)の著者で、「北品川藤クリニック」(東京・品川)の石原藤樹院長に聞いた。

■肥満の人は食前がおススメ

「よく患者さんから珈琲を飲むのは食前か、食後かを尋ねられます。私は飲んで胃が痛んだり、胸やけをしない人で、糖尿病が心配な肥満な人は食前をおススメしています。食後血糖値を改善するからです」

 珈琲を飲むと胃酸の分泌を活発にするため、逆流性食道炎の人や胃酸の人は食前の空腹時に珈琲を飲むと症状を悪化させることになりかねない。

「インスタントよりレギュラーの方が良いと思われがちですが、こと健康という基準で考えた場合は、どちらがいいというものではなく、インスタントでも十分健康に良いことがわかっています」

 そもそもインスタント珈琲は焙煎した珈琲豆から珈琲液を抽出し、それを乾燥させて粉末にしたものを言う。それ以外のものをレギュラー珈琲というが、カフェインやクロロゲン酸という珈琲の有効成分に大きな差はないという。

 珈琲には紙フィルターやサイフォンなどさまざまな淹れ方があるが、健康を考えるなら紙フィルターの方がいいかもしれない。

「珈琲豆から直接抽出した方が香りやコクがありますが、それはジテルペンなどの油の成分が入っているからです。ジテルペンは人間の体に良いとはいえないので、健康を考えるなら紙フィルターの方が私は良いと思います」

 また、珈琲は飲めば飲むほど体に良さそうだが、研究で良いとされるのは1日3杯程度で、5杯以上は健康的にプラスかどうかは不明。妊娠している女性は、胎児への影響が明確でないことを考えれば1日2杯程度に抑える方がいいという。(おわり)

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