がんと向き合い生きていく

コロナ感染の克服と経済再生のカギはPCR検査を多く行うこと

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 連日、午後になると東京、大阪、名古屋をはじめ、日本国内の新型コロナウイルス感染者発生数の発表があります。その増加ぶりに驚き、市中感染が増えてコロナ感染第2波が来ている状況なのではないか……。コロナ感染を心配して、病院に行きたくない、治療を休みたいと言ってくるがん患者さんも増えています。

 テレビでは、コロナの感染・流行を防ぎたい、経済を回復させたい、その両方の加減が難しい……と、政府関係者や専門家が繰り返し話しています。

 4月7日に閣議決定した緊急経済対策は「Go To トラベル」を含むキャンペーンを「感染症の拡大が収束し、国民の不安が払拭された後に実施する」とあります。しかし、政府は感染者が増えている状況でも、経済を回復させるため、東京を外して「Go To キャンペーン」を前倒しにしました。

 都知事は「外出をできるだけ控えるとともに、特に高齢者や基礎疾患がある人は気をつけてほしい」と呼びかけています。また「いまは『Go To キャンペーン』を実施する時期ではない」という多くの感染症専門家の意見があり、与論島のクラスター発生などを見ても安心して旅行に行けない方が多いでしょう。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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