「死ぬまで元気」を目指す

脳トレは楽しみつつ自ら考え判断する機会が多いものを選ぶ

写真はイメージ
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 特に趣味もなく、単調で刺激がない生活は脳によくないのではないか――。都内在住の60代の専業主婦は、それが気に掛かっているそうだ。

「年を取るごとに脳機能は落ちていくもの。脳を刺激するレクリエーション、いわゆる脳トレは、高齢者の認知症の予防や進行抑制といった効果が期待できます」と話すのは国際医療福祉大学熱海病院検査部・〆谷直人部長。

 脳も筋肉と同じ。使えば使うほど鍛えられて強くなるし、使わなければ衰えていく。簡単に始められる脳トレには、「簡単な計算を素早く解く」「文字を書く」「パズルを解く」「折り紙や料理などで指先を動かす」などがあるそうだ。

 いずれも手や指先を動かし、自ら考えて判断するもの。挑戦したくなるような楽しさを見いだすことが、脳の広い分野の活性化につながるというわけだ。

「なにより大切なのは、脳トレを『楽しむ』。『しなければならない』とストレスを感じながら脳トレをすると、時に逆効果となります」

「考える」機会を増やして脳を活性化し、認知症予防につなげる。これが脳トレの目的だ。計算やパズルにチャレンジして、たとえ、その答えを間違えたとしても、答えを導き出す過程で頭を使っているので、脳トレの目的は果たされている。

「加齢で記憶力は衰えますが、知恵や知識、経験が増えて直観が冴えてきます。脳トレ習慣を生活の中に組み込んで、クリスタル・インテリジェンス(バラバラな知識を結晶のようにまとめる知性)をうまく出して使えるようにしましょう」

 人とのコミュニケーションや、ウオーキングなどの有酸素運動も脳を活性化させる。さらに、不慣れなジャンルに試行錯誤しながらチャレンジするのもいい。たとえば、未知の分野や難解な本を真剣に読む。これまで聴いてこなかったタイプの音楽を聴く。初めての店に入って初めての料理を注文する……。脳を鍛えるにはうってつけ。実践したい。

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