先日、予定していた「心臓弁膜症」の手術が延期になりました。患者さんの皮膚にアレルギーによる発疹が認められたからです。
何らかのアレルギーがある患者さんを手術する際は、通常の場合よりも細心の注意が必要になります。術中にアレルギー反応を起こすと血圧が急激に下がり、血液の循環の維持ができなくなるなどして全身状態の維持に苦労するからです。
まずはアレルギー反応が治まるのを待ち、何が原因でアレルギーが起こったのかを調べ、手術で使う薬や機材をそのアレルギーに抵触しないようなものに変更します。アレルギー反応を起こしにくくするステロイドを前もって点滴して、それからあらためて検査を受けてもらうケースもあります。
いずれにせよ患者さんの安全を考えると、手術で予期せぬトラブルが起こる前に対策することができてよかったといえます。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」