医療崩壊も懸念されている。しかし、これも退院基準の設定によって変わってくる。
第1波のときは「発症日から14日間経過し、かつ、症状軽快から72時間経過した場合に退院可能」とされていたが、現在は「発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快から72時間経過した場合に退院可能」に変わっている。しかし回復が早い患者も多い。日数の制限を緩和することによって、かなり柔軟に対応できるようになるだろう。
では、本当に怖いのはなにか。おそらく「社会的制裁」だろう。
もし感染したら、たとえ無症状であったとしても、周囲から白い目で見られ、ネットには誹謗中傷が書き込まれ、しかも心の傷が長く当人を苦しめることになる。あるいは感染者を出した学校や店舗などは、マスコミから厳しく糾弾され、存続すら危ぶまれるようになるかもしれない。しかも政府や自治体は口先だけで、本気で守ってくれるわけではない。だから、われわれは常に気を引き締め、感染予防に努めなければならないのだ。
第2波の特徴は20代30代の感染者増 毒性が弱まった可能性も
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感染リスクはゼロにはできない 気にすべきは「ウイルス量」
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。