「ミネラルの中の塩分は、体の水分量や浸透圧を調節したり、神経の伝達、筋肉の収縮を行ったりするなど、体の機能を維持・調整するうえで大切な役割を果たしています」
そうはいっても、大抵の人は意識して過度に塩分を取る必要はないという。それには体のメカニズムも関係している。
「地球で初めての生命はおよそ40億年前に微生物として生まれ、それが節足動物や両生類などに進化し、やがて海から陸に上がって生活を行うようになり、その後のめざましい進化で人類が生まれたと考えられています。ですから私たちの体は、太古の時代に海から補給していたミネラル(塩分を含む)を今も必要としていて、食事などで体内に取り込むようにできているのです」
そのうえ、現代人の食生活は塩分が多い傾向がある。塩分の摂取量について、厚生労働省の食事摂取基準(2020年版)では、1日当たりの目標量は男性7・5グラム未満、女性6・5グラム未満と規定されている。また、世界保健機関(WHO)では同5グラム未満(男女)となっている。